ディープすぎる質問にも吉田氏は丁寧に回答

 “プロデューサーレターLIVE”は、プロデューサー兼ディレクターの吉田氏みずからが『FFXIV』のアップデート情報を発表する、人気のインターネットストリーミング放送。今回は、大規模ファンフェスティバル“FINAL FANTASY XIV FAN FESTIVAL 2017 in Frankfurt”のステージイベントの一環として、会場のフェストハレ・フランクフルトより全世界に向けオンエアされた。
 当日行われた“出張プロデューサーレターLIVE in Frankfurt”は、2017年2月28日にリリースされるパッチ3.55a情報の発表と、『FFXIV』に関する質疑応答が中心。吉田氏は、会場内の特設ステージに集結した大勢のファンひとりひとりに語り掛けるように、『FFXIV』の直近の未来を語っていったのだ。

プロトアルテマ戦の報酬はIL270のアクセサリ! 出張FFXIVプロデューサーレターLIVE in Frankfurtまとめ【FFXIVファンフェスティバル2017 in Frankfurt】_01
プロトアルテマ戦の報酬はIL270のアクセサリ! 出張FFXIVプロデューサーレターLIVE in Frankfurtまとめ【FFXIVファンフェスティバル2017 in Frankfurt】_02
▲通訳は、シニアトランスレーターのマイケル・クリストファー・コージ・フォックス氏。進行は吉田氏自身が担当した。
▲直近の新情報が公開される瞬間をひと目見ようと、ステージ周辺に大勢のファンが集結。

“Savage Turn4”踏破者だけが挑める一戦が将来登場!?

 放送は、来場者やフォーラムから寄せられた質問に吉田氏が直接答えていく、一問一答のコーナーからスタート。ドイツ・フランクフルトからの放送ということもあり、海外ユーザーからの質問を中心に採用し、進行した。

Q.キャラクター作成画面に、より多くのオプションを実装する予定はありますか? たとえば多くの髪型、顔、体系、お尻のサイズなどを変更できるようにしてほしいです。また、これらを実装するまでにどれくらいの開発期間が必要ですか?

A.いまのところ、何か別のオプションを足す予定は正直ないです。ネットワーク上でキャラクター情報をやり取りするため、これ以上選択の幅を広げると、パケットの肥大化を招いてプレイ時のストレスを増大させてしまいます。
 また、たとえばスライダーでお尻のサイズを選択可能にした場合、それに付随して鎧などの見た目も変化することになります。結果的にテクスチャーの表示がおかしくなってしまいますが、それを皆さんはおそらく許容しないでしょう。「ヨーロッパと北米のみんながお尻の大きさを選びたいみたいだよ」と、グラフィックスプログラマーに伝えておきます。

Q.家具のスロットが倍に増えるという発表がありましたが、庭具についてはどうですか?

A.(『紅蓮のリベレーター』を発売を境に設置できる)家具が増えるので、ひとまず落ち着いてください(笑)。庭具も、もちろん検討はしています。ただし、ハウスの中であれば室内の描画だけで済みますが、周辺の家屋が表示される屋外ではそうは行きません。描画がクラッシュしたり、メモリが不足して動かなくなる危険性が、室内以上に高まってしまいます。
 昨日お伝えした通り、邸宅の中にある家具を倍にする処理とフリーカンパニーハウスが引っ越しできる機能を入れます。その後、ハウジング関連のタスクがリストアップされていくので、庭具についてはその中で慎重に検討を続けていきます。

Q.フェアリー・エオスやセレネがノックバック攻撃を受けたときに、自動的にもとの位置に戻る仕様に変更していただけますか?

A.それくらいはご自分で戻してください(苦笑)。

Q.ゴールドソーサーに、『シアトリズム ファイナルファンタジー』のようなリズムアクションゲームが追加される予定はありますか?

A.そういう遊びがあったら楽しそうなので、間さん(間一朗氏。『シアトリズム ファイナルファンタジー』プロデューサー)に伝えておきます。

Q.種族限定の髪型の制限を解除する予定はありますか? また、カミーズやパンタレットのような、見た目が種族によって変わるタイプの装備を全種族で使えるようにはなりますか?

A.髪型に関しては、種族のアイデンティティとして、いくつかは必ず専用のものにすると決めています。(ですが最近は)パッチが進むにつれて、それらを各種族でも使えるようにするという対応を徐々に進めています。すべての髪型が全種族で選択できる状態にはなりませんが、いまの状況は少しずつ変えていくつもりです。
 システム上、下着に関しては素肌と同じ扱いになっているため着替えることができません。それらとは別の下着を装備として追加すれば、(全種族共通のものは)作れなくもないです。ですがその場合、たとえば自作したカミーズを脱ぐと、その下からまたカミーズが出てくることになります。リクエストが多いことは把握していますが、とても難しいということだけは覚えておいてください。

Q.メインシナリオやクエストインスタンスバトルをやり直せる機能がほしいです!

A.新しいキャラクターを作成してください……(笑)。(クエストインスタンスバトルは)クエストの進行フラグを参照して発生させているため、システムをゼロから変えないと実現困難です。クエストインスタンスバトルはひとつずつ(独立した)コンテンツとして作られているので、バトルコンテンツのリストだけを作って、その中からクリア済みのものを選んでプレイできるモードを作れば……可能な気はします。ですがその場合でも、デバッグをすべての面で行わなければならないので、実現までにはかなりの時間を要するはずです。

Q.『蒼天のイシュガルド』からゲーム全体の難易度が下がったようで、オシャレ装備などカジュアルな方向性に焦点が当てられている気がします。『紅蓮のリベレーター』では、より難しいものが期待できそうですか?

A.「大迷宮バハムートは簡単」という指摘を受けて機工城アレキサンダーを難しくしたところ、すごい怒られました……。コンテンツの難易度は、僕らも毎回悩みながら作っているのはたしかです。
 機工城アレキサンダー:天動編に関しては、それ以前のふたつ(起動編と律動編)と比較するとかんたんだったという声をいただいています。ですが我々は、多くの人がクリアできるかもしれないからこそ挑戦できるという、いい難易度に落ち着いたのではと思っています。
 レイドに関しては「かんたんだったよ」と言われるくらいが丁度いいのではないかなと。つぎの次元の狭間 オメガも、できるだけたくさんの人が挑戦して楽しめるレイドにしようと思っています。実装できるかどうかギリギリまでコストを詰めているところですが、Savage Turn4(高難易度レイドダンジョンの第4層)をクリアしたプレイヤーだけが挑戦できるバトルを何かひとつ作ろうかという話をしています。ただし、たとえそれが難しくても文句を言わないでください(笑)。

Q.モグステーションで、クルルの装備が買いたいです!

A.モグステーションは、僕よりも権力を持っている女帝が支配しています。彼女いわく「クルルのコスチュームは作るのがすごく大変」とのことです。「皆さんが必ず買いますと言うなら作ります」と話していました。(場内の大歓声を受けて)であれば、がんばって作ってくれるのではないでしょうか。

Q.ヒルディブランドのクエストが大好きなので、続編のシナリオが欲しいです。

A.ヒルディブランドに関しては、2.Xシリーズのシナリオにコストを注いで作りすぎたため、3.Xシリーズではお休みする予定でした。ところがご存じの通り、世界中から「彼はいつ帰ってくるんだ!」というお声をいただいた結果、パッチ3.1で復帰することになりました。
 4.Xシリーズでもヒルディを一度休ませようとしたのですが、彼に休暇は必要ないようです。パッチ3.5の事件屋クエストのラストシーンをもう一度確認して、彼が飛んで行った方向を思い出してみてください(笑)。

Q.自分のDPSだけを表示する、ゲーム内機能の実装予定は?

A.ほかのメンバーではなく、自分の火力だけを見たいという気持ちはわかります。ただそれを入れた場合、パーティメンバーから「自分のDPSが高いはずだから、数値を教えてほしい」と必ず言われるようになるはずです。またそれをいろいろ改造して、結局全員のDPSが見られるようになるツールが生み出される可能性もあります。
 皆さんが、“もっと上のレベルでプレイしたい”と思われる気持ちはよくわかります。ですがそれを実装すると、絶対にケンカが始まります。(計測機能の公開は)今後絶対にないとはもちろん言いません。とくにいまは、プレイヤースキルの差がすごく開いてしまっているので、『紅蓮のリベレーター』に向けていろいろな調整を行うことで、よりポジティブに高いレベルを目指せるようなバランスを目指しているところです。その先で、(DPS計測機能を実装しても)ケンカにならないだろうという結論に至ったら、前向きに考えようかなとと思います。ですがコミュニティブレイクに繋がるので、いまはまったく予定がありません。
 DPSを数字で表すシステムではないですが、プレイしたコンテンツで失敗した部分を自分でもう一度チェックできる仕組みを計画……すいません、ここまでにしておきます(苦笑)。(ほかの)MMORPGではやっていない、おもしろいことをやろうとしています。

Q.プレイステーション4 Pro向けのパッチを実施する予定はありますか? それは、フレームレートを向上させるためのものでしょうか?

A.予定はしています。『FFXIV』はMMORPGなので、たくさんの人を表示したうえで快適に遊べることが目的になってきます。高解像度に対応するためにというよりは、プレイステーション4 Proのパフォーマンスをいろんなところに使って、より快適にプレイできる方向性を目指しています。現在行っているチェックが完了すれば、さほど遠くない時期に、プレイステーション4 Pro用のパッチがリリースされるのではないかと思います。
 (パッチがリリース後に)プレイステーション4 Proがなければ遊べなくなるわけでも、逆にパフォーマンスが劣るためにプレイステーション4で遊びづらくなるわけでもありません。現在プレイステーション4で遊んでいる方が、無理にプレイステーション4 Proに買い替える必要はないと思います。そこは心配しないでください。

Q.植木鉢で栽培している収穫可能な花や植物の見た目を、そのまま維持できるオプションを追加してください。できれば、キラキラした輝きの演出はなしで!

A.パッチ3.5シリーズの中の、いずれかのアップデートのリストに入っています。さほど遠くない(時期)です。

Q.装備品ではなく、ミニオンみたいな形で傘を実装してほしいです。

A.傘については、さきほどお話ししたモグステーションの女王が「作る」と言ってました。ただし、「マウントにしようかな」とのことです。地上では(傘を閉じて)走行し、空中では映画『メリー・ポピンズ』のように……?(笑)。ミニオンではなく、マウントとして登場するのではないかと思います。

Q.ディープダンジョン 死者の宮殿は、クロスワールドパーティでもプレイ可能になりますか?

A.やろうとしているのですが、処理が難しいため、ちょっと時間が掛かっています。現在もっとも対応が進んでいるのが、クロスワールドマッチングでのアライアンスレイドです。リターン・トゥ・イヴァリースが開幕するまでに、対応を済ませるつもりでいます。現時点でクロスワールド(パーティ)に対応できていないものは、時間を要してでも必ず対応させていきます。

次回アニマウェポンは「たぶん簡単」!

 続いて、2017年2月28日に公開されるパッチ3.55aの中身が改めて発表された。これ以降、箇条書きで示したコメントはすべて吉田氏によるものだ。

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▲パッチ3.55に“a”の表記が追加された理由は、この後語られることに。
▲アニマウェポンストーリーの最後の試練が、パッチ3.55aで実装される。

◆つぎの試練は、たぶん簡単なのでは。

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▲ギャザラー/クラフター向けの新しい遊びとなる、お得意様取引の序章“シロ・アリアポー編”がお目見え。

◆お得意様取引は、パッチ4.0以降も継続していく。そのスタートに当たるNPCとして、シロ・アリアポーという新しいキャラクターが登場する。

◆かんたんに説明すると、困っているシロが欲しているものをクラフトしてプレゼントすると、ストーリーが進んで仲良くなれるというコンテンツ。

◆アップデートによって、仲良くなれるNPCの数が増えていく。ギャザラー/クラフター向けのストーリーラインが形成されていくイメージでいてほしい。

◆最終的に、好みのキャラクターに自作した服を着せたり、逆にNPCから自身の着こなしをチェックしてもらえたりと、オシャレ方面のアップデートが行われていく予定。

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▲アラグ帝国が作り出した対蛮神兵器の試作機、プロトアルテマと戦える!
▲ザ・フィーストに新たなマップが追加される。

◆プロトアルテマ戦の報酬は、IL270の“All accesories”。ただし、どうやって戦うのかは秘密。パッチノートにも記載しない。

◆ザ・フィーストは、決着がついた瞬間のメダル所持数が同じだった際、いままではドロー(引き分け)だったが、ここにサドンデスモードが入る。

◆ザ・フィーストは、バトル時のエキサイトメントを高めるためのフィールドアイテムも追加される。

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▲パッチ3.55aのそのほかのアップデート項目がこちら。

◆パッチの名称を3.55aとした理由は、雲海探索 ディアデム諸島にバグが発生し、まだ調整が終わっていないため。パッチ3.55を“a”として予定通りリリースした後、3月7日か9日……遅くとも14日までにはパッチ3.55bを公開。雲海探索 ディアデム諸島をなるべく早く提供したい。

◆前回のパッチノート朗読会で、「『牙狼<GARO>』装備のMGPとの交換はパッチ3.55から可能になる」とお伝えしましたが、パッチ3.56の間違いでした。本当に申し訳ありません。

◆メインストーリーのパート2は、パッチ3.56で追加。その後もパッチ公開が控えている。

 パッチ3.55に関する発表は以上で完了。“FINAL FANTASY XIV FAN FESTIVAL 2017 in Frankfurt”は閉幕し、ギネス世界記録の認定式へと移行した。

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